2024年、パリオリンピックが大盛況だった。
この記事は閉幕の数日後に書いている。
前回の東京オリンピックが2021年、そこからあっという間の3年。
自国開催だから見やすいと思うのは実際に会場に行く人だけで、そうで無い一般人は夜中のテレビ中継なんかの方が見やすい。
今回のパリオリンピックは夜中から朝方の時間が多く、残念ながら見やすかった・・・見てしまった・・・
いつも睡眠不足気味だけど、約2週間さらにちょっとだけ睡眠不足だったなぁ・・・
それはさておき、女子ボクシングで、起きていた性別騒動の話。
別に何か意見を求められたわけじゃ無いけど、なんかグルグル考えてしまっていたりとかするので、ちょっと整理のためにも記しておこうかと。
本人たちに落ち度はない気がする
騒動の詳細は検索してもらうと色々出てくると思うし、今後も色々展開されて行く可能性が有るので、ここには書かない。
僕は最初このトピックを見た時てっきり出生時男性だった方が、なんらかの事柄を経て正式に女性の競技に出場された、要するにM to Fのトランスジェンダーさんなのかなと思ったのだが、そうではなくて、性分化疾患と言われる要するに先天的(←表現合ってるかな?)なものらしい。
性分化疾患には色々な状態が在るという事らしいので、詳細には判らないが、明らかになっている事だけで書いて行くと、染色体はXYで要するに男性型、しかし外性器が男性型で無い、もしくは女性型という事で、産まれてからDNA検査をしない限り『女性』と判断されて疑いはない状態という感じ・・・まぁ成長の過程でなんらか有ったかもしれないが、それは話として出てきていないと思う。
で、本人的には自分の状態以外を自己として経験した事が無いわけだから、それが『女性』だと言われ、それを信じて生きてきたのなら、ここになんら疑いは無いだろうし、指摘する事も無い。
議論としては今回この人が女子の競技に出た事をどう考えるかという話。
政治的な部分も多いなぁと
まず、政治的な話も在るので、その辺をサクッと書いておくと、オリンピックはIOCが運営するんだが、その各競技はそれぞれの国際団体に運営を任せるらしい、ボクシングの場合IBA。
ただこのIBAが過去の不祥事からオリンピックでの運営を外され、今回のボクシング競技はIOCが独自で運営をしていたという事。
これはこれで下手をするとオリンピックからボクシングが無くなるかもしれない事態らしいが・・・それはまた別の話。
今回話がややこしくなっている一つはこの2団体の見解というかルールが分かれてしまっている事かな?
IBAは昨年の世界選手権でDNA検査の上、当該選手の出場を認めなかったが、今オリンピックでボクシング競技運営をしているIOCはパスポートの性別を基準として参加を認めた。
これ自体がなんとなくダブルスタンダードにも感じるし、ではIBAが運営に参加出来ていればこれら選手は参加できていなかったのか?今まではどうだったんだ?となると、モヤモヤする。
様々な主観から考えると都合同士がぶつかるので、ここはもう少し俯瞰から考えようと思う。
『性別』は一つじゃない
まず、なぜ競技は男子と女子に分かれているのか?という事。
ここには体力差が有るという事だと思う。
ただ、体力には同性でも差は有るが、そうではない決定的な差があるのだろう、としておく。
控室やロッカールームなどの問題は付随するものとしてここでは言及しない。
本来何故分かれたかは調べていないし、理由は一つじゃないかもしれないが、これも理由の一つにはなっていると思う。
さて、ではこの男子と女子とは何で決定付けるのがベターなのか?
この辺りで、グズってくる。
で、調べてみたら、やっぱり染色体がXXかXYかという事らしい。
じゃあトランスジェンダーなんかは・・・と考えるとモヤモヤするのだが、そもそもこの『性別』の考え方が難しい。
最近この辺りの話題で出てくる『性別』は『ジェンダー』という言葉で表される。
若いころにはあまり馴染みのなかった言葉で『性同一性障害』等の言葉が一般化し定着してきたタイミングで、よく聞くようになって同じく一般化してきたように思う。
トランスジェンダーという言葉もそうだし、ジェンダー問題などの言葉でも使う、あとは何だろうジェンダーレスみたいな言葉でも使うな。
さて、性別を表す単語はもう一つある『セックス』だ。
こちらの方がより以前から馴染みのある単語だと思う。
パスポートにも多分まだ性別の見出しは『Sex』になっているはずだ、僕はパスポートを更新をしていなくて久しいので最新のものはどうなっているかわからないが、たぶん変更はないと思う。
この二者の違いはなんなのか?
内閣府のページを参考にすると、
セックス・・・生物学的な性差
ジェンダー・・・社会的・文化的な性差
と、されている。
要するに産まれた時に決まっているのがセックスで、性自認などで決まってくるのがジェンダーだと言えると思う。
男性と女性を決定づける部分がなんとなく定義づけられたところで話を戻すと、競技における男性と女性を分ける必要が有る部分の基本的な体力差が出るのはこのどちらかというと『セックス』の方だと思う。
ジェンダーは染色体とは関係なく性自認で決まる。
という事は今回の話は染色体で分けられる『セックス』の方で判断される方が望ましいのではないのかと思う。
そもそもジェンダーだとしたら男子と女子との二つだけにする方がややこしくなる気もする。
通常の生活ではジェンダーが優先的に配慮される必要が有るとは思うが、体力差が問題で分けられているスポーツや格闘技などでは、やはりセックスの方で区別する必要が有ると思う。
ルールや規定が追い付いていないんじゃない?
ではパスポートはSexが表記されているんだからIOCがルールにしている判断で良いではないのか?
という話になるかもしれないが、今回の事案についてはもうちょっと複雑だし、国によっては申請すると無条件でSexの欄を変更できるという事も聞いた。
パスポート自体各国が発行するもので、ルールについては国際的に統一されているわけではなさそうだし、性同一性障害の方などはジェンダーがどうとかって事ではなくてセックスを変更したいと思われるだろうし、パスポートなど身分を証明する物の性別欄は自認している性の方で統一して欲しいとは思われるだろうから、この辺は難しい話で、そこを含めて考えると課題は大きいようには思うが、ここは『競技上、体力差を男性と女性で分ける必要が有る』という一点だけで考えているのでそのあたりは了承していただきたい。
要するにパスポートの性別欄も不安定なのだ。
そうなるとやはりDNA検査が一番ベターなのではと思う。
選手登録される時点や、ひょっとすると体質的に変化する人もいるんだったら、大会など毎にチェックする必要があるんじゃないだろうか?
今オリンピックの結果をどうという話ではなくて、ルールや規定に係る基本的な事柄が見直されてるんだとしたら、そのルールや規定もそれを基本として判断するので問題は無いのかとか見直される必要が有ったという事だろうし、今後早急にそういう風に流れていく必要が有ると思う。
ここを逆にジェンダーに寄った考え方で判断すると、今回の様にSex的には男性の選手が女性として参加するとSex的に女性なその他選手に危険が及ぶことも考えられるし、逆にSex的に女性な選手が男性として参加するとその選手が危険にさらされる事も考えられる。
各選手の安全を考えるとそこはやはりSexで区別する方がベターだと思う。
今回話題になっている2選手に関しては、気の毒だとは思うが、Sexは男性で、男性の外性器を持たない、或いは女性の外性器を持つ男性だったという事だと思う。
これは差別ではなくて区別だ。
それでもジェンダーで判断する方がベターだというなら、そもそもそこに体力差という概念は必要なくなってくるのだから競技を男子と女子に分ける必要がなくなってくる。
そうなると『いや、危険でしょ?』となると思う。
なぜ競技が男子と女子に分かれているのか
そちら側から考えるとこういう事になるんじゃないかなと思う。
※アイキャッチの写真はイメージです。記事内容の選手とは関係有りません
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